こんばんは。乗ってる車はマツダでおなじみ、管理人yaです。
ドラッカーのマネジメントについて読み解いていくシリーズです!
今回は良きマネジメントの実践例として世界から研究された日本の有名企業にフォーカスします。
その前に、こちら↓もどうぞ
今回フォーカスする大企業はトヨタ自動車です。
Contents
トヨタ生産方式とは?
大野耐一氏が生んだTPS
ドラッカーのマネジメントと時を同じくして、日本でも成功を収める生産管理手法が生まれます。
大野耐一氏(当時副社長)が中心となり体系化された【トヨタ生産方式】です。
英語(Toyota Production System)の頭文字をとってTPSとも呼ばれます。
それまでの生産性改善といえば、どんどん規模を大きくする、あるいはベルトコンベア式の製造ラインで大量生産して1個の固定費コストを落としていくというのが一般的でした。
トヨタははそう言った量を増やしてコストを下げる生産方式から脱却し、工程を繰り返し繰り返し改善していくことで
必要なものを必要な時に必要なだけ作って
コストを下げる生産方式を編み出しました。これがTPSです。
この辺りについてはいずれまた記事にまとめようと思っていますのでご期待くださいね。

トヨタ生産方式はドラッカーのマネジメントの考え方と非常に似通っています。
知の巨人と称される経済学者・ドラッカーはアメリカの大企業GEの現場をその鋭い洞察力で観察し、気づいた点を体系化する事でマネジメントの理論を練り上げました。
一方のトヨタ生産方式はドラッカーがまとめた理論を参考にしたわけではありません。
現場でより良い製品作りを追求し、現場で泥臭い改善に次ぐ改善を実践した結果築き上げられた生産方式です。

現場で泥臭く改善を積み上げる後者の肩を持ちたくなる人が多いかもしれませんね。現場を大切に思うのは日本人のサガなのかもしれませんね。
トヨタのマネジメント力
日本の会社は現場力が強く、マネジメントは弱い
ややもすると、強力な現場力が根底にあるトヨタは上記の象徴のように思われがちです。
しかし、トヨタ生産方式は現場の頑張りだけで支えられるものではなくむしろ優れた経営手腕により作り上げられたからこそ、経営学者であるドラッカーの理論と近いところが多いのです。
両者の一番の本質は
企業の最大の資産は人である
と捉えているところにあります。
トヨタの大野氏は従業員が改善を通して主体性をもち、成長の機会を提供することこそマネジメントの核心であると説いています。
『こういう手順にしたらどうだろう』『こんな道具を使ったらどうだろう』『こうすれば自動化できるかもしれない』といったことを、自ら考えて、工夫して、提案する。しかもそれが正しければ、高い確率で実現可能な状態を用意しておくことです。『そういう主体性があることが、一番大事なことだ』というのが大野さんの考え方でした。
トヨタ生産方式でドラッカーの『マネジメント』を読み解く 岩月伸郎・著
一方、ドラッカーは人が働く場所は生産性を追うだけの場でなく働く者の自己実現の場でもあるべきと唱えています。
人にとって、働くことは重荷であるとともに本性である。呪いであるとともに祝福である。それは人格の延長である。自己実現である
マネジメント エッセンシャル版 ピータードラッカー・著
理論と実践。
全く正反対の立場から経営を突き詰めているのに、着地点は同じようなことを言っていますね。
違う道から登った山なのに、頂上に登ってみたら見えた景色は同じだったというようなイメージでしょうか。
実践の賜物・トヨタ生産方式。
知の巨人・ドラッカーの理論。
どちらもすごすぎる。
鳥肌。そして胸熱。
この一冊でトヨタ生産方式とドラッカーのマネジメントの類似点が掴める!
実に面白い話だなぁと思った貴方!
この本オススメですよ!
著者の岩月氏は大野氏からトヨタ生産方式の薫陶を受け、トヨタの要職を歴任された方です。
本書はトヨタ生産方式について大野氏のエピソードを交えながらドラッカーのマネジメントの教えを対比させています。
大野さんを始め、トヨタ生産方式の体系化にあたっての中心人物だった方々はみんな人情派だったようです。古き良き企業文化の話は必見ですよ。
トヨタ流、ドラッカー流それぞれのマネジメント術を理解できると現場の改善のヒントになりそうですよね!
偉大な先人の知恵にあやかる
愚者は経験から学び、賢者は歴史から学ぶ。
オットー・フォン・ビスマルク(1815年 - 1898年)
マネジメント力は昇格のための必須スキルであり、
マネジメントに関する仕事はAIに代替されない仕事の1つと言われています。
ドラッカーを理解することは転職にも有利かもしれませんね。
愚か者にならないように学びたい、レベルアップ・スキルアップしたいという方、知の巨人・ドラッカーから学びましょう!